2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依田 幸司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHAH Alam Bhuiyan Md. 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 酵母 / ゴルジ体 / GAS1遺伝子 / 小胞輸送 |
Research Abstract |
小胞輸送において、ゴルジ体はタンパク質の修飾・成熟化と輸送先の仕分けを行っている。この機能に関わるタンパク質や脂質を明らかにするために、出芽酵母を材料にして生化学的・遺伝学的研究を行った。 酵母細胞壁のグルカンのリモデリングに関与しているGas1タンパク質の欠損は、グルカン合成に関わるKre6タンパク質や、輸送されるタンパク質のプロセシングに関わるKex2プロテアーゼの欠損と合成致死性を示し、またスフィンゴ糖脂質の糖転移に関わると予想されるIpt1,Sur1の欠損とは高浸透圧感受性の形質を示した。これらのGas1との同時欠損により形質を示すタンパク質は、酵母細胞を破壊し、ゴルジ体マーカータンパク質を指標に免疫沈降して得られる、ゴルジ由来小胞に含まれるタンパク質の解析、および、タグ標識されたタンパク質を生産する細胞の間接免疫蛍光染色顕微鏡解析から、ゴルジ体に局在することが確認された。一連の変異株のスクリーニングの過程で取得された、gas1欠損変異と合成致死性を示す未知遺伝子をもつNo.725株は、マンノシダーゼ関連遺伝子DFG5の多コピー導入によって抑制され生育可能になるが、これと54%同じアミノ酸配列を持つ相同なDCW1によっては抑制されないという興味深い性質を示した。前述のタンパク質と同様に、No.725株の変異遺伝子産物はゴルジ体の機能に関わると予想されるので、その同定をめざした。形質確認後、No.725株に野生株遺伝子ライブラリーを導入して回復するものを取得し、塩基配列を決定することにより、原因遺伝子の同定を進めている。
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