2002 Fiscal Year Annual Research Report
カバノアナタケの人工栽培と培養成分の抗癌活性の解明
Project/Area Number |
02F00179
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺沢 実 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHIN Yusu 北海道大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | カバノアナタケ / 人工栽培 / 抗癌効果 / Inotodiol / lanosteorl / アミノ酸 / betulin / xylitol |
Research Abstract |
カバノアナタケ菌核の人工栽培の検討を行い、シラカンバなどのカンバ類の大鋸屑、樹液およびアミノ酸の添加が菌糸生長に効果的であった。また、強い抗癌効果を持っているinotodiolなどの有効化合物の大量生産の条件の検討を行い、MYG液体培地上のカバノアナタケの菌糸成長を促進させる8種類のアミノ酸の添加した。その結果、アミノ酸無添加のコントロールよりCys, Arg, Leuを添加した液体培地でコントロールよりもlanosterolが多く含まれており、またコントロールでは存在しない成分も含まれていた。この結果は第53回日本木材学会で発表する予定である。 カバノアナタケの菌核含有成分には宿主植物であるシラカンバの樹皮の主成分であるbetulinが存在しない。この原因を解明するため、カバノアナタケ菌によるbetulinの変化の検討を行った。樹皮成分としてbetulin、lupeol、oleanolic acid、β-sitosterol、betulinic acid、betulone、oleanolic acid 3-O-acetateなどを単離し、oleanolic acid 3-O-acetateの立体的化学構造を明らかにした。Betulinの酸化還元物について検討中である。この結果は2003年4月の国際学会(International Association of Wood Products Societies(IAWPS2003))で発表する予定である。 カバノアナタケ菌糸の強い還元能力を利用してxyloseからxylitolの生産の検討を行い、xyloseを添加したMYX液体培地で4週間培養した結果、カバノアナタケの菌糸生長およびlanosterolを含む化合物の生産はMYG培地とほぼ同じであり、約10%のxylitolを得た。この結果からシラカンバ林から得られるxylanからxyloseを得、これを生物的に還元しxylitolとし、付加価値をつけることが可能であると考えられる。この結果は日本応用きのこ学会で発表する予定である。
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