2002 Fiscal Year Annual Research Report
遠隔不斉誘導によるキラル活性化学種の生成と不斉合成への応用
Project/Area Number |
02F00181
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北 泰行 大阪大学, 薬学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GANESH Jnaneshwara K 大阪大学, 薬学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 転位反応 / α,β-エポキシスルホネート / ルイス酸 / キラル4級炭素 / 不斉合成 / (-)-herbertenedio |
Research Abstract |
研究課題に沿った研究として、光学活性エポキシスルホナートの転位反応による不斉4級炭素の構築とその応用として生物活性天然物の合成を行った。 まず3位に芳香環を有する-メチルシクロペンテノンを、不斉還元、立体選択的エポキシ化、ついでスルホニル化して、光学的に純粋なエポキシスルホナートを合成した。光学活性エポキシスルホナートは、3位のキラルカチオン種を経て、高収率、高立体選択的に転位反応が進行し、不斉4級炭素を光学活性体として与えた。スルホニルオキシ基の除去も問題なく、容易にα位にベンジル位不斉四級炭素を有するケトン体を得た。そこで本法を利用して抗脂肪過酸化活性等が期待される(-)-herbertenediolの合成を検討した。2,3-ジメトキシ-5-メチルベンゼンを芳香環とする系で検討し、α位にベンジル位不斉四級炭素を有するケトン体を得、一般にケトン部のジメチル基への変換に用いられるMe_2TiCl_2条件で反応を行なったところ、最初のメチル基が導入された三級水酸基に対し、芳香環の二位メトキシ基の求核攻撃が、Me_2TiCl_2の求核攻撃に優先して起こったために、フラン環を含む三環性化合物が優先して生じた。そこでカルボニル基にメチル基を一つ導入した後に、脱水、シクロプロパン化、接触還元、脱保護を経て(-)-herbertenediolを収率良く得ることに成功した。本変換法はベンジル位不斉四級炭素から、光学活性なherbertane型セスキテルペン類を得る信頼すべき手法である。
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Research Products
(1 results)