2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗マラリア活性を有する炭素環フルオロヌクレオシドの合成
Project/Area Number |
02F00184
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZULFIQAR Fazila 岐阜大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 感染症 / 有機化学 / 酵素 / 生理活性 / ゲノム / 抗マラリア薬 |
Research Abstract |
当研究室では、抗マラリア薬の開発を目的に化学合成および遺伝子工学の手法を用いて多角的に研究を進めている。最近、抗マラリア薬開発の標的分子となるマラリア原虫の酵素(SAH hydrolase)を発現・精製することに成功した。更に、フッ素原子の置換した炭素環ヌクレオシドがマラリア原虫酵素を選択的に阻害することを見出した。 そこで本件究では、抗マラリア薬の開発を目的に塩基部および糖部を化学修飾した炭素環フルオロヌクレオシド誘導体を中心に合成し、それら誘導体のSAH hydrolase阻害活性を評価する。 1 先ず、パラジウム触媒を用いて2-フルオロアデニンと糖部に相当するシクロペンテン部分をカップリングして、アデニン塩基部2位にフヅ素原子を導入した2-フルオロノルアリステロマイシンの合成に成功した。 2 2-フルオロノルアリステロマイシンの糖部および塩基部修飾体の合成を実施し、期待する化合物を得た。 3 また、ネプラノシンAの糖部二重結合部分の還元体であるアリステロマイシンの糖部の合成を実施し、対応する2-フルオロアリステロマイシンの合成ルートを確立した。 4 本年度に合成できた炭素環ヌクレオシド誘導体のマラリア原虫およびヒトSAH hydrolase阻害活性を調べたところ、2位フルオロ体に熱帯熱マラリア原虫酵素に対する選択性を確認した。
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