2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全を考慮したキャピラリー電気泳動法による生薬成分分析法の開発
Project/Area Number |
02F00185
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
谿 忠人 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAUCHENSTEINER F. 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 甘草 / 地球環境保全 / キャピラリーゾーン電気泳動法 / グリチルリチン / グラブリジン / リクイリチン |
Research Abstract |
本研究は、環境配慮型のキャピラリー電気泳動法(CE)による汎用生薬(甘草)の分析法の開発を目指している。本年度はキャピラリーゾーン電気泳動法(CZE)^*分析条件を検討した結果、前年検討したミセル導電クロマトグラフ法(MEKC)と比べてGlycyrrhiza glabra根の主要成分glycyrrhizin (GL)と特有成分glabridin (GLA)を良好に分離し得る方法が確立できた。 ^*CZE条件 試料抽出条件:50%および70%希エタノール キャピラリー:有効長50cm、内径50μm 電解質濃度:70mM NaB_4O_7(pH9.22)。 電圧・温度条件:25kV・20℃ 内部標準物質:5μg/mlケイヒ酸水溶液 分析バリデーション数値(Glycyrrhizin (GL)分析) 日内変動:1.95%,日間変動:2.02%(RSD) 検出限界:4.98μg/ml,定量限界6.40μg/ml 本法を用い甘草類各市場品と基原植物の根を分析したところ、すべての試料でGLが主要成分として認められた。産地や基原の変化に伴う成分含量の差異を検討したところ、liquiritin (LQ)はヨーロッパ市場品を含むG.glabra根で0.24±0.15%であったが、G.uralensis根と中国市場品では1.34±0.34%であった。またGLAはヨーロッパ市場品を含むG.glabra根にのみ認められた。Glycyrrhetic acid (GA)は市場品数点を除き定量限界未満であった。 この結果に基づき、GL,LQ,GLA,GA各成分含量を変数として多変量解析(PCA法)を行ったところ、第1主成分の寄与率43.1%、第2主成分の寄与率を29.5%とする解析結果を得た。即ち、Glycyrrhiza属植物と甘草市場品はCZE分析により基原の違いを判別しえた。 本研究内容の一部は研究分担者が日本薬学会第124年会(2004.3.30、大阪)で発表する。
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