2002 Fiscal Year Annual Research Report
P型半導体として銅化合物を使用した色素増感太陽電池の固体化技術開発
Project/Area Number |
02F00187
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 祥三 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SENADEERA Gallolu Kankanamalage Rohan 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 太陽電池 / 色素増感 / 酸化チタン / ナノ結晶 / 他孔質 / ヨウ化銅 / 結晶サイズ制御 / 伝導度 |
Research Abstract |
次世代低コスト太陽電池として今後の産業化が大きく期待されている色素増感型太陽電池は、アモルファスシリコン太陽電池に匹敵する変換効率に加え、その製造プロセスに大きなエネルギーを要しないため、高速大量生産の可能性がある。この太陽電池は、可視光領域に幅広い吸収を持つ色素を固定した多孔質セラミック薄膜を光作用極とし、白金もしくは炭素の対極との間にヨウ化物イオンとヨウ素を含む有機溶液を封じたものである。しかし、実用化を考えた場合、この電解質溶液部分を固体化することは、長期の安定性を確保するためには非常に重要である。本研究では、固体層としてP型半導体で、アセトニトリルに可溶なヨウ化銅、イオン種からの電界析出による構築が可能なチオシアン酸銅を選択した。 高い伝導度を示し、粒径が比較的小さく結晶性の高いヨウ化銅薄膜を、アセトニトリル溶液から作製する技術を確立した。また、製膜の際にイオン性液体を少量添加することで粒径がナノサイズまで小さくなり、しかもさらに一桁高い伝導度を持つ薄膜が得られることを明らかにした。ヨウ化銅を、色素担持した多孔質酸化チタンのナノサイズの空孔内に構築しやすいよう、より空孔経の大きな多孔質酸化チタン薄膜をスプレー法により作製した。得られた多孔質膜に色素を担持した後、ヨウ化銅のアセトニトリル溶液を滴下、乾燥を繰り返すことで充填し、変換効率3%の全固体型色素増感太陽電池の作製に成功した。
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