2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00188
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 知 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Chunjiang 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | コロイド / モデル / 移行現象 / カラム実験 / フミン酸 |
Research Abstract |
放射性廃棄物地層処分においては地下水中に存在するコロイドの挙動が重要である。すなわち、コロイドが存在しそれに放射性核種が付着して疑似コロイドを形成した場合にはコロイドが岩石に吸着されずに地下水の流れに伴って移行することになり、核種が単独でイオンとして地下水中に存在し岩石表面への吸着・脱着を繰り返して移行する場合よりも速く移行する恐れがある。従って、コロイドが存在する系での核種の移行現象を十分に把握することが重要である。本研究は地下水中における、核種+コロイドの移行現象をモデル化することを目的としている。平成14年度は考慮すべきプロセスにはどのようなものがあり、それがどのように定式化されるかについて研究した。その結果、特に地下水中にフミン酸などの有機物が存在すると核種の吸着挙動に影響することと、核種を吸着したフミン酸は特異な移行挙動をすることより、これらについての研究を深めることとした。 ウランのモンモリロナイトコロイドへの吸着においては速いプロセスと遅いプロセスが存在することがわかり、それぞれモンモリロナイトの外表面および層間への吸着によるものと結論付けた。一方、ウラン-フミン酸錯体のモンモリロナイトへの吸着においては速い吸着のみが観察されこの錯体は外表面に吸着されることが示唆された。また、ウランイオンおよびモンモリロナイトに吸着されたウランの石英を充填したカラム内での移行について実験し、とくにフミン酸共存の影響を調べた。その結果、ウランはカラム内に強く残留(40%)するが、フミン酸が存在する場合には残留率は小さくなることが判った。これらのウラン-フミン酸-モンモリロナイト-石英系における核種挙動の実験結果はコロイド移行モデルのデータベースとなる。
|