2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内情報伝達機能制御プローブを用いたPETイメージング
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02F00190
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VALDES?GONZALEZ TANIA 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 外国人特別研究員
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Keywords | アルツハイマー病 / ガングリオシド / βアミロイド蛋白 / 細胞表面沈着 / プリオン蛋白 / PET画像診断薬 / アミロイド溶解 |
Research Abstract |
アルツハイマー病初期過程に対し、まったく新しい概念の画像解析法のためのPET/SPECT薬剤の開発と発病予防薬及び治療薬の開発に資する情報を得ることを研究目的とした。そのため脳内βアミロイド沈着動物モデルを生化学的手法で作成する技術を確立するとともに、生体内での薬剤の効果判定法を構築し、候補となるF-18標識薬剤・I-123標識薬剤の動態を検証する。 平成14年度は次に示した項目に重点を置いて研究を進めた。 1)表面プラスモン共鳴法により、細胞表面のガングリオシドと特定の神経ペプチドとの相互作用をL1チップを用いて詳細に調べHPAチップと比較した。さらにあらかじめ作成したβアミロイド層状沈着面との相互作用を調べたところ、このペプチドの結合によってβアミロイド層状沈着が溶解することが確認された。これはアルツハイマー病初期に予防・治療薬として効果が期待できる。 2)表面プラスモン共鳴法により、細胞表面のガングリオシドとタウ蛋白及びプリオン蛋白との相互作用を調べた。タウ蛋白はガングリオシドとあまり強い相互作用は観測されず、異常型プリオン蛋白はガングリオシドとは無関係に膜表面に強く層状沈着をおこした。 3)H-3Mannosamineによるデノボ合成と、マイクロダイアリシス法を組み合わせた細胞表面糖鎖検索法(IDOS法)を利用してガングリオシド変性がβアミロイド細胞表面沈着の要因となることをIN VIVOで証明することができた。さらにこの方法で、βアミロイドの沈着の防止や溶解する薬剤の効果をIN VIVOで検証できることが分かった。 4)I-125標識Aβ-40を脳内投与し動態を解析した。マイクロダイアリシス法およびオートラジオグラフィ法によって、標識ペプチドは比較的早期に拡散することが分かった。このことはI-123標識ペプチドをSPECT用画像診断薬として利用できる可能性を示唆している。 以上の結果を踏まえて、15年度にはF-18標識候補薬剤・I-123標識候補薬剤について、IN VITROおよびIN VIVOでその効能を検証する。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Valdes Gonzalez Tania, Junichi Inagawa, Tatsuo Ido: "Kinetic approach to the interactions of beta-Amyloid protein with surfaces containing glycolipids"Journal of Spectroscopy. 17・2, 3(April)(印刷中). (2003)