2002 Fiscal Year Annual Research Report
田辺湾沿岸生態系におけるメイオーおよびマクロベントス群集のエネルギー収支
Project/Area Number |
02F00193
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白山 義久 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU OK Hwan 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | エネルギーフロー / メイオベントス / マクロベントス / 田辺湾 / 分布 / 環境要因 |
Research Abstract |
田辺湾におけるメイオおよびマクロベントス群集のエネルギー動態を調べた。まず、2002年5月から8地点で毎月サンプリングを実施し、メイオおよびマクロベントスの密度と分布を調査した。田辺湾のベントス群集の定量調査は1940年以来である。マクロベントスはスミスーマッキンタイア採泥器を用いて、またメイオベントスはその試料にサブコアをさして採集した。各地点で4回の採集を行い、3試料は底生生物の定量に、残りの1試料はpH, Eh,粒度、Chl.aおよび有機炭素含量の測定に用いた。また底層水を採水し、溶存酸素量、Chl.aおよび有機炭素量を測定した。すべての底生生物の分布が温度と泥分率に影響を受けていた。マクロベントス群集は、塩分、温度および堆積物中のChl.a濃度から南(A)中央(B)北及び湾外(C)の3海域に分類された。B海域の密度が最大で、AとCでは低かった。メイオベントス群集は、南および中央(a)と北および湾外(b)の2海域に分けられ、b海域の方が、密度が高かったが、関連する環境要因はなかった。マクロベントスでは多毛類、メイオベントスでは線虫類が優占し、それぞれ全体の82%と62%を占めた。多毛類と端脚類の分布はそれぞれ泥分率および線虫類/かいあし類比と強い負の相関があった。一方ホシムシ類の分布は塩分と正に相関していた。
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