2002 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科植物根毛の細胞器官および分子に対するNod因子の生物的影響
Project/Area Number |
02F00197
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
WILLIAM Ridge Robert 国際基督教大学, 教養学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NIKOLOVA Vassileva Valya 国際基督教大学, 教養学部, 外国特別研究員
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Keywords | root hair / GFP / rhizobia / Nod factors / microtubules / tubulin / legume / symbiosis |
Research Abstract |
根毛細胞は根粒菌(rhizobia)とマメ科植物の共生における感染の最初の場所である。この感染過程ではじめに影響を受けるのは、細胞内運動の多くを制御する細胞骨格と考えられる。この研究ブロジェクトは遺伝子組み換え体のGFP標識チューブリンを用いて、rhizobiaとそれから分泌される情報伝達分子,Nod因子によって微小管がこの段階でどのような影響を受けるかを調べることにある。研究ブロジェクトの初年度は、LotusのGPF-TU遺伝子組み換え体における微小管成長の観察と実験を集中的に行った。遺伝子組み換えを行ったのち、mutantsを選別し、生育して採種した。こうして集めた種子を実験に供した。微小管の成長速度は共焦点レーザー顕微鏡で調べた。いくつかの標品については映画を撮影した。対照となる根毛における微小管の正・負の成長に関するデータを蓄積してから、rhizobiaとNod因子で処理した場合の実験を行った。共焦点レーザー顕微鏡を用いて数百の映画を撮影し、数千個の根毛からデータを集積した。その結果、微小管の成長は根毛核の近傍及び成長先端の近傍と、細胞内の場所により異なることが分かった。実験データの予備的解析によると、rhizobia及びNod因子は微小管の成長速度に有意な遅延効果をもつことが明らかとなった。また、正常では高い正の成長速度を示す細胞の部分で、負の成長が有意に増加することも分かった。根毛に直接与えるか、あるいはrhizobiaの感染を通して与えるNod因子は、微小管の重合と脱重合の制御概構に作用すると思われる。微小管の重合にはATPとADPは重要な分子なので、次年度の研究はATP-ADPレベルに関する実験を行う。
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