2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00207
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江面 浩 筑波大学, 農林学系, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CUI MingLong 筑波大学, 農林学系, 外国人研究員
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Keywords | エチレン / 受容体 / 発現制御 / 転写調節因子 / メロン / 遺伝子 / シス因子 |
Research Abstract |
植物はエチレン生合成と感受性を調節して、エチレンの効果を調節している。従って、植物のエチレン生合成や感受性を解明し、それらが制御できれば、諸形質の分子育種が可能になる。エチレン生合成は、先駆的研究によりその生合成経路や関連遺伝子が明らかになり、それらの遺伝子を使って生合成が制御できることも報告されている。一方、エチレン感受性は、シロイヌナズナ変異体を使った研究からエチレン受容体遺伝子と関連遺伝子が単離されている。本グループでは、メロンからエチレン受容体遺伝子(Cm-ERS1、Cm-ETR1)を単離した。解析の結果、これらの遺伝子がmRNA及びタンパク質レベルで発現制御を受けていること、その発現制御がエチレン感受性制御において重要な役割を果たしていることを示唆してきた。従って、エチレン受容体の発現調節機構を解明することが、エチレン感受性調節機構を解明する上で重要である。本研究では、メロン果実の発育初期段階に強く発現するCm-ERS1遺伝子の発現調節機構を解明するため、同遺伝子のプロモーター領域の欠失実験によるシス領域の同定を試みた。 1、実験方法:1.5kbのCm-ERS1のプロモーター領域をPCRにより-1500位〜-150位、-1000位〜-150位、-500位〜-150位、-300位〜-150位、-1500位〜-1000位の5部分に分けてそれぞれ増幅し、それぞれにGUSもしくはGFP遺伝子に繋げて発現ベクターを構築した。これらをパーティクルガンによりタバコ或いはメロンの葉に打ち込み、24時間後にGFPの発現細胞数或いはGUS遺伝子の発現量によりプロモーター領域の活性を調べた。 2、結果:-1500位〜-1000位までの領域を含んだベクター以外を構築した発現ベクターでGFPとGUS遺伝子の発現が確認された。その中で、-500位〜-150位までの領域を含んだベクターで相対的に強い発現が見られた。この結果は同じ発現ベクターを導入した形質転換タバコでの発現レベルとほぼ一致した。このことから、Cm-ERS1のプロモーターの-500位〜-300位の間にひとつのシス因子が存在することが明らかになった。 3、今後の予定:シス領域を20塩基まで絞り込み、one-hybrid法により発現調節領域に結合する転写調節因子を同定する。得られたクローンの塩基配列を決定し、構造解析を行う。
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