2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジェミニウイルスの分類ならびに感染増殖に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
02F00211
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高浪 洋一 九州大学, 農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WERE Hassan Karakacha 九州大学, 農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | geminivirus / 病原性 / スイカズラ / Begomovirus / Tobacco leaf curl virus |
Research Abstract |
わが国における農作物のgeminivirusによる病害との関連について考察するため,九州を中心に関東以南の各地から罹病スイカズラ11株を採取した。これらには,葉脈黄化症状を示さず葉裏面のenationのみを示すものや,葉脈黄化症状のみあるいはそれにenationを伴うものなど病徴の異なる株が存在していた。罹病葉からDNAを抽出し,Begomovirusに特異的なプライマーを用いてPCRを行い,外被タンパク質領域を含む約1700bpのDNA断片を得,pBluescript II KS+にサブクローニングした。得られた各クローンより,+鎖上の外被タンパク質領域であるV1のORFおよび,一鎖上のC2・C3のORFの塩基配列を決定した。全株のCPのアミノ酸配列はのそれと高い相同性を示した。スイカズラ葉における病徴の相違とCP領域のアミノ酸配列との関連について検討したところ,病徴との明らかな相関性は認められなかった。 以上の結果から,スイカズラのgeminivirusはTobacco leaf curl virusに分類されるものと考えられる。このウイルスは基本的には人工接種が不可能であるため,本ウイルスの感染増殖機構を解明するためには,従来の塗沫接種法によらない新規な手法を用いた接種法の開発が必須である。そこで,ウイルスDNAの全長cDNAクローンをカリフラワモザイクウイルスの35Sプロモータ下流に連結したプラスミドを構築し,そのDNAをパーティクルガンを用いて植物に打ち込むことによる感染系を確立することを計画した。現在,その目的のための全長cDNAのクローニングと塩基配列の確認を行っている。
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