2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00217
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
荒井 基夫 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MUHAMMAD Hamid Rashid 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | セルラーゼ / セルロース / 遺伝子 / 麹 |
Research Abstract |
セルロース性物質は地球上で最も大量に存在する有機物質資源であり、これをアルコールなどの有用物質に転換する研究が重要である。これらを利用するためには、まず加水分解して単糖にまでしなければならない。このために、セルラーゼが重要である。セルラーゼは複合酵素であり、1種類では分解力を示さないが、複数の酵素を混合すると相乗効果が現れ、強い活性を示す。著者らはバイオマスを効率良く単糖にまで分解する酵素生産菌Aspergillus aculeateusを分離して、生産される多種類のセルラーゼ、ヘミセルラーゼの研究を続けている。この結果、草本植物繊維の完全糖化法を確立し、さらにセルロース分解に必須な新規酵素群を発見した。また、これらの酵素群の遺伝子のクローニングにも成功した。本研究はこれらの基礎にたち、酵素遺伝子群を麹菌に導入して、バイオマスの効率分解をめざしている。 糸状菌A.aculeatusのセルラーゼ成分の中で最も大量に分泌生産されるエンドグルカナーゼの一つであるFI-カルボキシメチルセルラーゼ(FI-CMCase)をコードする遺伝子(cmc1)を麹菌A.oryzaeに導入し大量発現させることを目的とした.既に取得されたcmc1ゲノムクローンを鋳型としPCRで増幅し,niaD遺伝子を選択マーカとして持つ糸状菌用高発現ベクターpNAN8142中のプロモータP-No.8142の下流に挿入し,発現ベクターを構築した.P-No.8142はA.oryzaeのα-アミラーゼ遺伝子で見出された正の制御に関与するシスエレメントであるRegion IIIを12コピー連続して導入することによって炭素源によらない高発現を可能にした改良プロモータである.構築したプラスミドをプロトプラスト-PEG法にてA.oryzae nia D300株に導入し,1%CMCを含む培地でコンゴーレッド染色によりコロニー周辺にハロが確認できた形質転換株をCMC1株とした.CMC1株を4%グルコースを炭素源とする液体培地にて培養し,培養上清の活性を測定した結果,約700mg/1以上の生産量であった.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Muhammad, H.R., Kawaguchi, T., Sumitani, J., Arai, M.: "Expression of Aspergillus aculeatus Endoglucanase(FI-Carboxymethylcellulase) Gene In Aspergillus oryzae"Proceeding of Mie Bioforum, Biotechnoligy of Lignocellulose Degradation and Biomas Utilization. (In press). (2004)