2002 Fiscal Year Annual Research Report
玉ネギ鱗茎の貯蔵中における休眠と休眠打破時の炭水化物の生化学および生理学的研究
Project/Area Number |
02F00218
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
塩見 徳夫 酪農学園大学, 酪農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BENKEBLIA Noureddine 酪農学園大学, 酪農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | Allium cepa / fructo-oligosaccharide / fructosyltransferase / sprout control |
Research Abstract |
玉ネギ鱗茎中には栄養特性を有した機能性オリゴ糖の一種であるフルクトオリゴ糖が多く含まれている。このフルクトオリゴ糖は重合度が3〜約10の1-ケストースおよびネオケストース系列の多種の糖の混合物から成り、鱗茎育成中には肥大因子の一つとして働き、成熟期には貯蔵炭水化物として貯えられ、休眠期には抗凍結および発芽時期にはエネルギー供給源としての役割を果たしているとされている。 本研究では玉ネギ鱗茎生育時期、休眠期(貯蔵期)におけるグルコース、フルクトース、シュクロース、各種オリゴ糖含量とこれらの糖質の代謝に関連する酵素〔(sucrose : sucrose 1-fructosyltransferase (SST), 1^F-fructosyltransferase (1^F-FT), 6^G-fructosyltransferase (6^G-FT) fructooligosaccharidehydrolase (FH), invertase (Inv)〕活性を調べた。 ・玉ネギ鱗茎生育時期(6月〜9月):フルクトオリゴ糖含量は生育すると共に増加し8月で最高となった。中でもネオケストースおよびネオケストースシリーズの糖は1-ケストースおよび1-ケストースシリーズの糖より多かった。ショ糖およびグルコース含量についても同様の傾向が認められた。逆にフルクトースは減少した。SST活性は6月、7月で高くその後急激に減少した。1^F-FT, 6^G-FT活性もともに6、7月で高くその後両活性とも最高値の約1/3に減少した。FH、Inv活性は生育初期に高く、その後徐々に減少した。 ・玉ネギ鱗茎貯蔵期(10月〜2月):グルコース、フルクトース、シュクロース含量は貯蔵2ヶ月(8月)後急激に減少したがその1週間後もとのレベルに近く増加し一定となった。フルクトオリゴ糖類は9週〜10週後に急激に減少した。その1〜2週後に3〜4糖類もやや増加の傾向にあったが、より重合度の高い糖は更に減少した。 各酵素活性は各糖の増減と呼応関係にあった。
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