2002 Fiscal Year Annual Research Report
韓国南西沿岸域におけるスズキ属2種の同所的共存機構
Project/Area Number |
02F00224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 克 京都大学, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GWAK Woo?Seok 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(外国人)
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Keywords | スズキ / タイリクスズキ / 韓国南西岸 / 稚魚 / 分布 / 食性 / 耳石日周輪 / 同所的共存機構 |
Research Abstract |
平成14年度には2年目の本格的現地調査に備えて,以下の飼育実験と生化学分析,現地視察,予備的採集等を実施した. 1)スズキ仔稚魚飼育実験:2002年1〜3月にスズキ人工受精卵(千葉県東京湾栽培漁業センター)を用いて,ふ化直後より稚魚期の初期までの飼育を行い,定期的に試料を採取し,発育に伴う核酸量と蛋白質量の変化を個体ごとに調べた.個体の栄養状態や成長の指標となるRNA/DNA比は,ふ化後緩やかに増加し,稚魚期の初期にはほぼ一定の値で安定した. 2)韓国南西沿岸域視察:2002年9月中旬に韓国海洋研究院(仁川)と慶尚大学(統営)を訪問し,スズキとタイリクスズキの分布・成熟産卵・稚魚の出現に関する情報を得るとともにサンプルを入手した.また,今後の継続的な試料入手の体制を整えた.得られたスズキ類は核DNAを分析してスズキ・タイリクスズキならびに交雑種の確認を行っている. 3)2003年3月中旬に有明海筑後川河口域においてスズキ稚魚を,同下旬に韓国麗水市及び統営市沿岸域においてスズキとタイリクスズキの稚魚を採集し,耳石日周輪によるふ化日(産卵日)の推定,消化管内容物による食性の分析,核酸比による栄養状態の評価などを調べる計画であったが,研究分担者は2月下旬に急遽韓国国立慶尚大学校海洋科学大学助教授への就職が決まり,研究を中止せざるを得なくなった.しかし,研究代表者のスズキ研究チームが計画通り調査を実施し,分担者も現地調査に参加した. 4)得られた試料の分析(核DNAによる種の同定,日齢査定,胃内容物組成分析などより,麗水及び統営沿岸域におけるスズキとタイリクスズキ稚魚の空間分布・食性・産卵期の類似性と相違性を解析し,同所的共存機構の解明への基礎データを得つつある.
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Research Products
(1 results)