2003 Fiscal Year Annual Research Report
サル/ヒト免疫不全ウイルスによるエイズ宿主免疫応答の研究とワクチン開発
Project/Area Number |
02F00241
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KWOFIE THEOPHILUS BENJAMIN 京都大学, ウイルス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | エイズ / 動物モデル / アカゲザル / HIV / SIV / SHIV |
Research Abstract |
HIV感染による発症にサイトカイン・ケモカインが重要な役割を果たしていることを示唆する報告が多くなされている。特にエイズの進行に伴ってTh1細胞系のサイトカインが減少し、Th2細胞系のサイトカインが増加すると考えられているものの、その因果関係についてはよくわかっていない。そこで本年度は、特にヒトでは解析することの困難な感染初期について、病原性および非病原性SHIV感染サルの各種サイトカイン・ケモカインを検出する系の確立と、その動態の解析を行った。急性発症株SHIV-89.6Pおよび非発症株SHIV/NM-3rNを静脈内接種したサル各4頭、計8頭の血清を用いた。このうち、各2頭については接種後28日まで、残りの各2頭については接種後14日まで、それぞれ3-5日おきに採血された血清をELISAキットで検索した。IL-12、RANTESについては、ウイルス接種前のサル血清中のレベルが測定可能で、動態の解析が可能であったが、病原性・非病原性SHIV接種群で差が認められなかった。IL-2はプレのレベルは検出限界ぎりぎりであったが、病原性SHIV接種群で上昇傾向が確認された。IL-4、IL-10およびIFN-γについては、検出できないか限界ぎりぎりで、更にELISAの感度を高めるための検討や、他の高感度の検出方法の検討が必要である。IL-2など病原性に関連して産生が影響される傾向が観察されたものの、感度良く病原性のマーカーとして使用可能なものは得られなかった。
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