2003 Fiscal Year Annual Research Report
免疫自己寛容維持および自己免疫病発症における制御性T細胞のシグナル伝達機構に関する研究
Project/Area Number |
02F00245
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂口 志文 京都大学, 再生医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FEHERVARI ZOLTAN TAMAS 京都大学, 再生医科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 自己免疫 / 免疫自己寛容 / 樹状細胞 / 制御性T細胞 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
平成14年9月に来日以来、自己免疫病の発症に関与する自己反応性T細胞に対する制御機構を、細胞レベル、分子レベルで研究している。ふたつのプロジェクトを担当しており、現在成果が出始めたところである。 ひとつのプロジェクトは、本研究室で発見した内在性CD25+CD4+制御性T細胞の活性化機構について樹状細胞の役割を解析するものである。具体的成果として、(1)マウスの骨髄細胞から試験管内で樹状細胞を分化させる実験系を確立した。(2)試験管内で樹状細胞を細菌内毒素(LPS)で刺激することにより分化・成熟させると、そのような樹状細胞は制御性T細胞の増殖を惹起することを発見した。(3)同時に、制御性T細胞の増殖はToll-like receptorの刺激によっても惹起出来ることを確認した。現在、この樹状細胞と制御性T細胞の間の相互作用の意味について生体内で解析している。またこの反応が自己免疫病の発症にどのような効果をおよぼすかを検討しようとしている。 第二のプロジェクトとして、樹状細胞を含む抗原提示細胞の活性化が自己免疫病の発症に及ぼす効果を解析している。用いている実験系は、当研究室で確立した自己免疫性関節炎自然発症マウスモデルである。現在、抗CD40抗体の生体内投与により関節炎発症が促進されるか検討している。 研究以外に、Fehervari博士は、研究室の大学院学生の英語の語学力向上のため、彼等の英語での論文執筆、発表に積極的助言を与え、感謝されている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Zoltan Fehervari, Shimon Sakaguchi: "A pragon of self-tolerance : CD25+CD4+regulatory T cells and the control of immune responses"Arthritis.Res.Ther.. 6. 19-25 (2004)
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[Publications] Zoltan Fehervari, Shimon Sakaguchi: "Development and function of CD25+CD4+regulatory T cells"Current Opinion in Immunology. 16. 1-6 (2004)