2002 Fiscal Year Annual Research Report
血管内プラーク形態および血管リモデリングの冠動脈ステント植え込み術長期成績に与える影響
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02F00250
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
笠貫 宏 東京女子医科大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHRESTHA Balaram 東京女子医科大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | Percutaneous Coronary Intervention (PCI) / stent / Restenosis / Intra-Vascular Ultrasound (IVUS) / Quantitative Coronary Angiography (QCA) |
Research Abstract |
虚血性心疾患の治療法のひとつであるステント植え込み術は広く普及しているが、慢性期再狭窄はその頻度が低くなったとはいえいまだ解決されていない問題点である。本研究では再狭窄に影響を与える因子として血管内プラークに注目した。すなわち、ステント植え込み術前後および6ヵ月後慢性期での血管内プラーク量・分布とステント再狭窄との関係を検討した。 ステント植え込み患者を対象とし、植え込み時および6ヵ月後慢性期造影時に血管内超音波検査を行った。2003年2月現在で44例の患者に慢性期を含め血管内超音波検査を施行した。血管内超音波画像の解析はINDEC社製のTape Measure, Echo Plaqueを用いて解析した。ステント近位部および遠位部の正常と思われる部位、さらにステント内では1mm間隔にて測定を行った。ステント留置前では血管断面での血管面積、血管内腔面積、プラーク面積を測定した。ステント留置後は上記に加え、ステント面積も測定した。これらのデータを3次元構築しプラークの体積を算出した。定量的冠動脈造影解析にはMEDIS社製のQCA-CMSを用いた。血管計測の精度向上のため必ず同じ角度で造影し、また血管の短縮・重なりのなるべく少ない角度を選択した。これらの画像解析に加え、糖尿病、高脂血症といった臨床背景も検討した。高精度の画像解析が要求されるため、心血管画像解析で有名なオランダ・ライデン大学主催の血管内超音波・定量的冠動脈造影に関するシンポジウムおよびトレーニングコースに参加し、そこで意見交換を行った。この意見交換は有意義であり、現在の画像解析に非常役立っている。 平成14年度は研究1年目であり、現在は上記のデータを蓄積している。2年目にあたる平成15年度はデータの統計解析、論文作成に当たる予定である。
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