2002 Fiscal Year Annual Research Report
ジストロフィンmRNA前駆体のスプライシング促進配列に結合する核タンパクに関する研究
Project/Area Number |
02F00252
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松尾 雅文 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SURONO A. 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | DMD / dystrophin / splicing / RNA binding protein |
Research Abstract |
デュシェンヌ型筋ジストロフィーはジストロフィン遺伝子の異常から発症する。ジストロフィン遺伝子は3000kbにも及ぶ巨大なものであるが、mRNAはわずかに14kbである。これは遺伝子の99%以上の配列がイントロンとしてスプライシングにより切り取られていることを示している。ジストロフィン遺伝子には100kb以上に及ぶ巨大なイントロンが存在する。こうした巨大なイントロンのスプライシングは極めて特異で精巧な機構により制御されているものと考えられるが、ジストロフィン遺伝子のスプライシング制御機構を明らかにした報告はない。 本研究では、mRNA前駆体に核タンパクが結合することによりスプライシングが制御されているとの仮説をたてそのタンパクの分離精製を試みた。 ジストロフィン遺伝子の中で、エクソン19の配列の中にはスプライシングを正確に進めるために必要な配列であるスプライシング促進配列の存在が明らかにされている。そこでこのエクソン19のスプライシング促進配列に結合する核タンパクを検索した。このスプライシング配列に一致したRNAプローブを作製し、HeLa細胞核抽出液と混じ、RNA-核タンパク複合体を形成した。この複合体をクロマトグラフィー法と電気泳動法を用いて分離精製した。最終的には電気泳動上にきれいな1つのバンドとして得た。この精製した複合体が存在する部分を切り取り、それをトリプシン処理した後、TOFMS解析を実施し、そのアミノ酸配列を決定した。その結果、2種のタンパクがRNAのプローブと結合していることを明らかにすることに成功した。
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