2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00261
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
坪田 一男 東京歯科大学, 歯学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DOGRU Murat 東京歯科大学, 歯学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アトピー性角結膜炎 / 結膜杯細胞 / ムチン / Real Time PCR / immunohistochemistr |
Research Abstract |
我々はすでに、アトピー性結膜炎に伴うドライアイにおいては、impression cytologyを用い、結膜杯細胞密度が低下する杯細胞機能不全状態が原因であろことを示す数々の報告を行ってきた。我々は、次の課題としてアトピー性結膜炎における結膜杯細胞の病態生理を検討するために、羊膜上での結膜上皮細胞及び結膜杯細胞の培養系の確立を目指した。アトピー性角結膜炎患者より治療的乳頭切除術施行時に結膜サンプルを得て、結膜上皮細胞ならびに結膜杯細胞の培養に試みたところ、"結膜上皮細胞の培養に成功したのに対し、杯細胞の殆どが上皮化する"ということがわかった。 我々は同時に、国立成育医療センター研究室免疫アレルギー研究部の協力を得て、正常結膜組織およびアトピー性角結膜炎患者結膜組織培養系で結膜上皮及び杯細胞由来のムチン分泌をGene Chip法にて調べたが、培養系でムチン分泌量が減り測定不可能な場合が多いということもわかった。 また、Gene Chip法にて結膜正常組織及びアトピー性角結膜炎患者結膜組織でのムチン分泌の発現の違いについて比較検討を行った。アトピー性角結膜炎患者結膜組織では、結膜上皮由来のMuc4, Muc1及びMucAAの発現が正常結膜組織でのMuc4, Muc1及びMucAAの発現と比べ有意に高かった。しかし、杯細胞由来のMuc5ACの発現の比較検討を行ったところ、アトピー性角結膜炎患者結膜組織でのMuc5ACの発現は低下していることがわかった。 今後まだ興味深い課題や実験が多く考えられるが、一つはReal Time PCR法にて正常結膜組織ならびにアトピー性角結膜炎患者結膜組織でのMuc5ACの定量を行うことを目指している。ちょうど花粉症の季節なので、Real Time PCRを行うためにアトピー性角結膜炎患者より結膜組織を採集している。また正常結膜組織及びアトピー性角結膜炎患者結膜組織でMuc5ACに関する免疫染色を行う予定である。R-PCRにてMuc5ACだけでなく結膜上皮由来のMuc4とMuc7の定量を行うことも検討していく。
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