2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00275
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KOZYREV Iouri Leonidovich 京都大学, ウイルス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | エイズ / 動物モデル / SHIV / SIV / HIV / アカゲザル |
Research Abstract |
エイズウイルスの感染・増殖に各種サイトカイン・ケモカインなどの液性免疫因子が重要な影響を及ぼすことが培養細胞レベルで明らかとなっているが、実際の感染個体における病態との関係は未だ不明な点が残されている。そこで、液性免疫因子によるウイルスの増殖・病態への関与を個体レベルで実験的に解析することを目的として、Th2系サイトカインであるIL-5遺伝子をnef部位に組み込んだSHIV-IL5を作製した。培養細胞における増殖能を調べたところ、親株であるSHIV-NM3rNが一番よく増殖し、nefを削ったSHIV-NIは、増殖が悪くなったが、IL-5を組み込んだウイルスは、NM3rN程ではないが、良く増殖する傾向が見られた。また、培養上清中に産生されたIL-5を階段希釈してIL-5依存性に増殖するTF-1細胞株でチェックしたところ、濃度依存性にTF-1が増殖することが確認された。そこで、この増殖がよくなったSHIV-IL5のサル感染実験を行った。末血中のCD4陽性細胞やB細胞マーカーであるCD20での顕著な動きはなかったが、血漿中のIL-5レベルは、感染2週後に一過性の明らかな上昇が認められた。血漿中のウイルス量は、感染1週後に、親株のNM3rNと同程度にウイルス量が上昇し、その後急速に減少するといったプロファイルで、nef欠失ウイルスに比べると明らかにウイルス増殖が良くなっていた。PA法により感染サルの抗HIV-1抗体を測定したところ、感染後2,4、6週で、IL-5を組み込んだウイルスを接種したサルの方が、nef遺伝子欠失ウイルスを接種したサルよりも抗体レスポンスが有意に早いことがわかった。以上のように、IL-5の組み込みによってウイルスの個体レベルでの感染・増殖に明らかな影響を及ぼすことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Iouri Kozyrev, et al.: "Co-expression of interleukin 5 enhances replication of simian/human immunodeficiency chimeric virus in vivo"Journal of General Virology. 83. 1183-1188 (2002)
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[Publications] Takeshi Haga et al.: "Developement of vpr vector from chimeric simian and human immunodeficiency virus"Journal of veterinary medical Science. (in press).