2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本二院制度の統一後韓国憲法への導入可能性に関する研究
Project/Area Number |
02F00285
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Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
大石 眞 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
LEE Sang Yoon 京都大学, 大学院・法学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 両院制 / 二院制 / 参議院制度 / 国会制度 / 国会改革 / 貴族院 / 上院改革 / 国会の構成 |
Research Abstract |
これまでは(本年度)、日本二院制度の歴史、具体的には明治憲法における二院制の特徴と日本国憲法における参議院制度の成立過程などを中心として研究してきたのである。こうした研究からわかるように、まず明治憲法における二院制は、一口にいえば君主制擁護を目的とする、下院抑制型の保守的装置であった。そして、現行参議院制度を日本国憲法の成立過程に則してみると、次の点が指摘できよう。第一は、制憲過程をリードした総司令部民政局では、当初一院制を構想していたことである。第二は、日本政府は、この一院制案を受けて、二院制への変更させたことである。第三は、3月2日案で二院制の存在を確認したことである。第四は、憲法改正の可決段階の付帯決議(貴族院)で、政府に職能代表制の考慮を促したことである。第五は、その後帝国議会で参議院選挙法が検討されたが、全国区と地方区といった二本立てが可決されたことである。 いずれにせよ、日本国憲法とともに、現行の参議院が発足したが、間もなく「二院制ではなく、一・五院制だ」ともいわれたこともあり、その存在意義、改革論などの様々な論議がなされてきたようである。これからは、この点を中心として研究していきたいと思う。 さらには、これなでの研究に基づいて、発表論文をまとめており、その関連の翻訳書の出版も計画している。
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