2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本二院制度の統一後韓国憲法への導入可能性に関する研究
Project/Area Number |
02F00285
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Research Institution | Kyoto University |
Host Researcher |
大石 眞 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
LEE Sang Yoon 京都大学, 大学院・法学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 議会制度 / 二院制 / 参議院 / 国会改革 / 貴族院 / 上院改革 / 国会の構成 / 国会制度 |
Research Abstract |
昨年の日本二院制度の歴史(明治憲法における二院制の特徴、日本国憲法における参議院制度の成立過程)に関する研究に引き続き、今年度は参議院の存在意義、多様な改革論について研究してきた。すなわち、憲法改正を前提とした抜本的改革案をも視野におきながら、主として参議院の運営の実態に焦点を合わせた改革論を中心として研究したのである。そこに一貫したテーマは、参議院の独自性の確保を衆議院との関係から如何にして構築し、その存在意義を高めるかという点である。 また、報告者は、様々な学会および研究会などへの参席と、そこでの日本学者との意見交換を通じて、より幅広い見地からの研究ができたと考える。特に、憲法史研究会や共同研究(韓国統治構造の研究)への参加は、これまでの研究に大変参考となったと考えられる。さらに、科学研究費補助金による関連書籍や資料及び消耗品などの購入は、研究の効率性を高め、これからの研究にも大変資できるものであると考える。 これまでは、議会制度に関する翻訳書や論文をまとめるに留まらず、日本国憲法の全般に関する著書や論文も発表または準備している。たとえば、『議会法論』(仮名、準備中)、「政党国庫補助制度の憲法的研究」(東亜法学33号、発表済み)、『日本国憲法の解釈』(仮名、準備中)、「日本の参議院改革と統一韓国憲法の展望」(発表予定)などである。 これからは、以上の研究に基づいて統一韓国憲法上における日本両院制の導入可能性という観点から、第一院の「補完と抑制」、「良識と理性の府」としての参議院の存在意義を改めて確認し、国民的視野にたった統一後の韓国議会制度の行方を展望していきたい。
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Research Products
(2 results)