2002 Fiscal Year Annual Research Report
日・韓両国の地方自治制度の比較法的研究-特に都市計画の地方分権化に向けて-
Project/Area Number |
02F00286
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芝池 義一 京都大学, 大学院・法学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOI CHOL HO 京都大学, 大学院・法学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 地方自治 / 法制度 / 権限委譲 / 集権 / 分権 / 封建的地方制度 / 府県制と区制 |
Research Abstract |
日本国憲法第8章には地方自治に関する規定があり、その地方自治の本旨に基づいて地方自治法が制定されている。日本の地方自治は最近まで3割自治と呼ばれていたが、1999年の地方分権推進一括法の制定および地方自治法の改正によって、日本国憲法に規定されている地方自治の本旨をより一層充実した形で実現することができることになった。 中央から地方へ権限の委譲に関する法制度の発展、集権から分権へ進んでいく過程は国ごとに異なる。韓国は、歴代王朝が強力な中央集権的な郡県制を施行していたので、地方分権すなわち各地域を拠点とする政治勢力による政治、経済的な分権体制はなかった。これに対し、日本では、封建体制の下においても、一種の地方自治制度が存在していた。 そこで本研究の目的は、日本の中央地方関係、すなわち分権過程に関する研究を行い、日本の地方自治法制度を継受した韓国の地方自治制度を集権と分権という視点から比較法的な研究を行うこと、および韓国における今後の立法方向を提示することである。 他方、政治的、経済的な視点から日韓の地方自治制度を比較すれば、日本の地方自治ないし分権は、幕藩体制の中にその原型を見つけることをできる。 そこで、上記の研究の目的を達成するため、今年度は、全体としては、幕藩体制時代における封建的地方制度から明治時代の近代的地方制度への変遷過程を研究した。とくに、明治維新前後の時期の日本の近代地方制度が自然村と行政村の二重構造であったという理論を検討し、さらにそれを踏まえて、日本の近代的地方制度の萌芽である明治時代の府県制と区制について検討した。
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