2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパと東アジア緊張緩和の国際比較-ドイツ・日本・韓国を事例として
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02F00287
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 進 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Jong Guk 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 冷戦 / 緊張緩和 / ヨーロッパの緊張緩和 / 東アジアの冷戦 / 朝鮮半島の緊張緩和 / 日本と東アジアの緊張緩和 / 西ドイツと緊張緩和 / 冷戦史プローゼット |
Research Abstract |
本年度の研究は資料収集,研究動向,研究方法に基づいてのそれぞれ段階別にて行っていた。 まず,資料収集についてで有るが,1960年以後展開されていた国際緊張緩和のうねりに基づいて西ドイツ,日本,韓国の資料をそれぞれ整理しながらその意味あいと冷戦史における資料の位置づけを行い、各々の資料が持っている歴史的な価値を判断している途中である。また厳しい冷戦を経験した所ですので、その資料がその国内でどのように評価されているのかを分析している。 次に本研究の研究動向であるが,国際的な冷戦終結後国際政治は新たな局面を向かっていた。それとともに冷戦期における新しい冷戦史プローゼットがアメリカを中心に行ったことは本研究において大きな意味があると思われる。それで本研究はそのような国際的な研究動向を踏まえながら課題を遂行することにする。当時西ドイツに関する研究のなかでは4ヵ国の役割に関する研究や旧東ドイツの文書から明らかになっているUlbrichtの緊張緩和に関する認識、対ソビエトとの関係に関するものも徐々に整理できると思われる。緊張緩和と日本に関する研究は資料の制限があるが、冷戦史の公開という側面から見れば悲観的ではない。特にアメリカから行っている資料を参考して,特に50-60年代の冷戦史の研究が行われいて,その後の時期である70年代の東アジアにおける緊張緩和の研究は可能である。韓半島の緊張緩和に関する研究動向はまだ不十分である。60-70年代に関する部分的な研究は現代史と韓国国内政治の側面から行っているが、南北韓と東アジアの緊張緩和という視点から行われている分析はまだ行われていない状況である。 最後に本研究の研究方法に関する研究も行っていた。本研究は国際緊張緩和の国際比較という視点で行うことで,歴史的には冷戦史という軸に基づいて研究を続ける。この側面から見ると冷戦の波によって国際緊張緩和のうねりを理論化できるからだ。そして冷戦のイデオロギー的な要素が三ヶ国の内政にどのような影響を与え、その結果それぞれの地域の平和と安全保障秩序にどういう結果をもたらしたのかを分析中である。
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