2002 Fiscal Year Annual Research Report
公共サービス供給における市民セクターとの協力に関する研究
Project/Area Number |
02F00288
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
縣 公一郎 早稲田大学, 政治経済学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OH S. ‐E. 早稲田大学, 政治経済学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際研究者交流 / 公共サービス / 市民セクターとの協力 |
Research Abstract |
この研究は公共サービスの提供においてNPOなどの市民セクターによる公共サービス供給、いわゆる市民セクターの協力に関する研究である。公共サービスの生産者がもはや政府に限られるのではなく、住民または住民組織の持っている提供者としての役割を再認識する点から出発している。まだ研究を始めて3ヶ月くらいなので、本研究の最初の段階として、文献研究を通して日本と韓国で部分的に行われている公共サービス供給における市民セクターとの協力に関する理論的基礎、すなわち登場背景、概念、類型を考察している。また、日韓両国で試行されている公共サービスの市民セクターとの協力の事例を通じて、地方政府の効率向上のための代案としての可能性を模索している。 今まで、公共サービス供給における市民セクターとの協力については、その効果性を実証的に検証した研究がまだ十分に展開されていない。公共サービス供給を政府自身が独占的に行う場合と、市民セクターとの協力を図る場合のどちらが効率性が高いのか、市民セクターとの協力が地方政府の公共サービス供給に与える生産性上の影響はどのくらいのか、また地方政府と市民セクターとの協力体制に影響を受ける主要変数等を考察している。 公共サービスの範囲はゴミ処理、治安、福祉、教育、医療等の分野を対象にして、計量的データを集めている。また、最近の計量モデルの確率フロンティアモデル(Stochastic Frontier Production Model)を利用した研究の動向も考察している。
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