2002 Fiscal Year Annual Research Report
為替管理とその貿易収支に及ぼす影響 : バングラデシュ経済のグローバル化と日本の役割
Project/Area Number |
02F00290
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
氷鉋 揚四郎 筑波大学, 農林工学系, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UZ?ZAMAN MD. Akhtar 筑波大学, 農林工学系, 外国人特別研究員
|
Keywords | 為替管理 / バングラデシュ経済 / 輸出志向性 / 実質内外価格差 / 輸出競争力 |
Research Abstract |
70年代、80年代のアジア諸国の急速な経済成長は、輸出志向の国際貿易政策が重要な経済政策であること示した。その後の研究により、経済発展のどの段階にある国であっても、輸出競争力の強化が高い経済成長の基本的条件となることが示された。また輸出競争力に大きな影響を与えるのは為替レートであり、実質為替レートを反映した輸出競争力の強さで輸出部門を中心に成長を実現する例と、過大な為替レートを維持し非輸出部門を中心に成長する例があることも知られている。 バングラデシュは輸出志向であり、比較的高い競争力を持つことが知られている。しかしその強さを実現する要因についての研究は、なされていない。この研究では、南アジア諸国の国際競争力を複数の指標により比較し、統計的な手法によりその決定要因を推定した。 研究の成果として、全ての比較指標において経済の輸出志向性、実質内外価格差、名目内外価格差が決定要因と推定されることが示された。この事よりバングラデシュの経済政策は過去20年の間に、輸出競争力を強化するために適切な為替政策が取られるように適切に修正されてきたと言える。 今後の課題としては、輸出競争力の決定に関する非価格的要因も含め、更に詳細な要因の分析が必要である。
|