2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00306
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
宮武 宇也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Haiming 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 原子核荷電半径 / レーザー分光 / 高融点元素 / 原子線源 / レーザーアブレーション / 蛍光分析法 / 共鳴分光法 |
Research Abstract |
Re(レニウム)をはじめとする高融点元素同位体のレーザー分光による原子核荷電半径、電磁気モーメント測定を目指している。Re等の同位体は加熱型原子線源で作ることができない。そこで、レーザーアブレーション法による原子線源を開発することにより、初めて分光が可能となる。Re同位体の中性子数に対する測定値の系統的変化を観測することで、原子核の変形がどのように変わるかを明らかにする。 今年度後半からの研究期間に於いては、レーザーアブレーション技術の調査検討を行い、研究を進める上での装置の設計と準備を行った。レーザーによる荷電半径測定法には、中性原子並びにイオン化された原子に適用できる蛍光分析法と中性原子にのみ適用可能な共鳴分光法がある。前者は簡便な実験手法であるが、荷電半径の変化を議論するには測定精度に限界がある。他方、後者は高精度データが得られるが、純粋な中性原子源が必要となる。そこで、手始めに蛍光分析法によるRe同位体に対するレーザーアブレーション実験を開始するとともに、高純度中性原子線の開発を進める事とした。調査の結果、中性原子を得るには、アルカリ蒸気フィルターとイオン化された原子の排除用グリッド電極が必要である事が明らかとなり、装置の設計を行った。また、レーザーアブレーション機構は未だ未知な点があるため、中性原子を効率よく得るための系統的なレーザー条件探索を開始した。
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