2002 Fiscal Year Annual Research Report
短パルス高出力レーザーによるコヒーレント軟X線生成と関連する物性の研究
Project/Area Number |
02F00311
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 寛人 東京大学, 物性研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浩 滕 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 軟X線 / 超高強度レーザープラズマ / 高エネルギー粒子生成 |
Research Abstract |
黒田研究室では、超高光強度下における高密度物質相互作用研究を目的として、ピコ秒及びフェムト秒高出力レーザーの開発とそれによる新しい物理の研究に注力している。今年度における本研究の第一目標は、当該外国人特別研究員であるHao Teng氏がもつレーザー高度化技術を活用し、黒田研が所有するテラワット級チタンサファイヤレーザーシステムのさらなる高強度化・高品質化をめざす。これにより超高強度レーザーと高密度物質との相互作用、及び軟X線レーザーと高次高調波によるコヒーレント軟X線の生成・応用研究のための重要な道具立てを行えることになる。 本年度はまず既存の10mJ、100fsチタンサファイヤレーザーシステムの改良を行った。具体的には従来のシステムに新方式のマルチパス増幅器を追加し、パルスコンプレツサー後の出力エネルギーを100mJまであげ、ピーク光強度1TWの達成に成功している。また超高強度レーザープラズマ実験を行う際に重要となるフェムト秒レーザー光の空間コヒーレンス向上を試みた。この目的達成のためには2つの手法を取り入れた。まず初めの方式ではマルチパス増幅器中にピンホール空間フィルターを導入した。この際、増幅媒質であるチタンサファイヤ結晶内においてビームフリンジが発生しないようにシステム全体の設計をしなおした。第2の方法ではdeformable mirrorを用いてフェムト秒レーザービームの波面補正を行い、ターゲット上におけるレーザー集光強度の増大を試みた。上記改良はすでに完了しており、現在は集光度向上を評価している。 また異常磁場の生成や高エネルギー粒子生成という新しい物理の探究を目的として、20TW、11fsレーザーシステムの設計を開始している。このプロジェクトでもTeng氏は中心的な役割を担っており、着々と成果がでている。
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