2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00313
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 健治 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAO THOTA NARAYANA 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 降水システム / ウィンドプロファイラーレーダ / 2周波レーダ / 融解層 / 雨滴計 |
Research Abstract |
衛星からの降雨観測ではレーダが直接に観測できる手法として期待されており、実際現在、熱帯降雨観測衛星という衛星に降雨レーダが搭載され観測を続けている。このデータの検証を始めた。検証データは通信総合研究所の沖縄亜熱帯計技術センターの1.3GHz及び400MHzのレーダデータを使用する予定であったが、最近1月分のデータを入手した段階である。400MHzのレーダデータは確認が行われているが、1.3GHzレーダに関しては現在データフォーマット等の確認を行っている。 本人はインドの出身であり、インドの大気観測用大型レーダ施設(MSTレーダ施設)を利用した研究の経験がある。このレーダ施設には低層大気観測用レーダが設置されており、また雨滴計もある。そこでこのデータを解析することとして、そのデータ入手を行った。雨滴計による雨滴粒径分布特性などこれらの一部はインド、平成15年12月にインドのバンガロールで開かれたInternational Radar Symposiumで発表した。 その一方、将来の衛星搭載レーダの候補と考えられている2周波レーダのデータ検証方法について、特に降水粒子が氷や雪の固体降水から液体降水に変化する融解層と言われる層について検討を行った。過去に行われた地上からの10/35GHzレーダ観測データの整理、また1991年に米国で行われた航空機搭載10/35GHzレーダの観測データの整理を行いシミュレーションと比較した。この比較からは、低周波数側(10GHz)ではレーダ反射強度のピークが明瞭に、高周波数側ではレーダ反射強度は融解層の上部で急激に強くなり、融解層の下部で緩やかに減少する、というシミュレーションと合う結果が得られた。 なお、当研究者が来日前に行っていた対流圏の擾乱に伴うオゾン増加についてのウィンドプロファイラデータの解析結果の論文化も行った。
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