2002 Fiscal Year Annual Research Report
室温・低磁場で動作する巨大磁気抵抗材料の設計と創製
Project/Area Number |
02F00315
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山内 尚雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 雲輝 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 巨大磁気抵抗効果 / 遷移金属酸化物 / ペロブスカイト型Mn,Fe,Co酸化物 / 溶液試料合成法 / 複合材料 / 相分離 / ゾルゲル法 |
Research Abstract |
本研究では、室温・低磁場で動作する巨大磁気抵抗材料得ることを目的とし、様々な遷移金属酸化物及びその複合材料の作製を試みた。以下に本年度得られた研究成果を示す。 1.溶液法によるFe,Co酸化物材料の作成法確立 酸素センサーへの応用が期待される(La_<1-x>Sr_x)FeO_<3-δ>について、溶液法を用いた高品質試料の作製を試みた。前駆錯体の熱分解法とエチレングリコールを用いた改良型Pechiniプロセスを用いることで、様々なSr濃度(x)を持つ単一相試料の作製に成功した。また、同様の手法を応用して、巨大MRを示すことが知られているダブルペロブスカイト型BaRECo_20_<5+δ>の溶液法試料作製にも成功した。 2.ダブルペロブスカイト型Sr_2FeMoO_6の複合材料化 巨大なトンネル型磁気抵抗(MR)効果を示すことから磁気デバイスへの応用が期待されるダブルペロブスカィト型Sr_2FeMoO_6について、他の物質との複合材料化によるMR効果の更なる向上を検討した。本研究では、「酸素ゲッター同時封管法」を用いることでSr_2FeMoO_6の単一相試料、及びSr_2FeMoO_6/Ag複合材料の作製に成功した。 3.相分離状態にあるペロブスカイトMn酸化物試料の作製 ペロブスカイト型Mn酸化物におけるMR特性の更なる向上を目指し、2相分離したMn酸化物試料を作製し、その電磁気特性を評価した。ゾルゲル法を用いてLa_<0.7-x>Yb_xSr_0.3MnO_3試料を作製した。Yb含有量(x)を変えることで、強磁性転移温度Tcが変化することに成功し、化学組成制御によりTc値を自由に制御できることが明らかになった。
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