2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00322
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平尾 雅彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TIAN Jiayong 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 繊維強化複合材 / 損傷・欠陥 / 圧電共振体 / スペクトロスコピー / 点接触センサ / モード解析 / 弾性定数 |
Research Abstract |
本研究は,航空宇宙機器・輸送機器などの重要な構造用材料であり,今後より一層多く使用される炭素繊維強化高分子および金属系複合材料の超音波による局所的な損傷・劣化診断を目指すものである.今年度は,圧電振動体の共振特性から複合材料接触部分の劣化を検出する点接触共振の励起・検出に向けた研究を開始した. すぐれた圧電定数と温度特性を有するランガサイト直方体の共振モードを理論解析し,対象物との点接触に適する点(振動の腹)と支持に適する複数の点(振動の節)を決定することができた.この結果をもとに設計したプローブ針と支持点をもつmmオーダの直方共振体を作製し,その全体をコイルに印加する外部磁場によって励起・検出することに成功した.測定物との接触は文字通り一点のみであり,また支持点は面外変位を持たない不動点であるため,理想的な点接触共振が実現した.このセンサを利用したスペクトロスコピーでは,接触部位の弾性特性を反映して変化する共振周波数の感度は,強磁性体の小球を振動体とする従来法に比べて10〜100倍向上した.チタン合金を母材とするSiC繊維強化複合材料について,明瞭なコントラストの画像が得られた.新たな超音波顕微鏡として発展することを期待している.
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