2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00324
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小森 悟 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KAIYANG Qu 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 相変化 / 霜 / 冷却 / 乱流熱移動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乱流場での霜の発生と成長機構を実験的に解明することである。この研究は、航空機やヒートポンプの性能劣化に関する深刻な問題につながる固体表面での霜の発生と成長のメカニズムを明らかにし、霜の発生と成長の制御・防止技術を開発することをめざすものであり、熱工学的に極めて重要なものである。特に、従来の研究においては低風速の層流中での霜の発生と成長に関する実験と数値計算が主になされて来ており、現実の問題で頻繁に見られる乱流状態で流れる気流中での研究は全くなされていないので、本研究では気流側の乱流と関連づけて、霜の成長機構を解明することを試みた。 本年度は、乱流状態で空気が流れる小型の風洞内に固体冷却面を設置することによりその冷却面上に生成される霜の成長過程をレーザ変位計および赤外線表面温度計で計測した。また、この実験結果を説明するため初期の霜の発生過程を直接数値計算(DNS)によってシミュレーションした。 その研究結果をまとめると以下の通りである。 1.霜の成長過程には周期的な成長パターンが存在する。また、成長の初期過程には氷粒子が形成される。その後、羽毛、円柱、針状の霜が形成され、霜相の厚みは時間とともに増加するが、その成長速度は減少する。この成長過程は表面温度が0℃に近づくまで周期的に繰り返される。この周期的な成長過程は既往研究では見つけられていない初めての発見である。 2.湿度の増加、冷却面温度の減少に伴い霜相の密度が増加する。また、自然対流の存在する層流場よりも乱流場での方が霜相の密度が増加する。 今後、DNSによるシミュレーションを各種の条件を変えて行うことにより、霜の発生と成長の制御・防止技術を開発することをめざしたい。
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