2003 Fiscal Year Annual Research Report
縦型構造による高速動作有機トランジスタに関する研究
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02F00327
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
工藤 一浩 千葉大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENNEMKERIL Joseph Mathew 千葉大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 静電誘導トランジスタ / 有機半導体 / 有機薄膜トランジスタ / 真空蒸着膜 / 銅フタロシアニン / ショットキーゲート / 分子電子デバイス / 高速トランジスタ |
Research Abstract |
有機SITは、低動作電圧、高動作電流という特長を有するため、様々な応用が期待されている。その高性能化をめざし、ヘテロ積層構造の層膜厚などのデバイス構造設計、不純物ドーピング、作製プロセスの最適化を行うことが本研究の目的である。 本年度は、まず、Au(ドレイン)/CuPc(半導体活性層)/Al(ゲート)/CuPc(半導体活性層)/ITO(ソース)構造素子における、ゲート電極構造の影響について調べた。スリット状のマスクを用いた蒸着において、マスクと基板との間にスペーサーを挟み、その厚みを制御することで蒸着源のサイズと距離から期待されるAI膜の「にじみ」が得られた。SIT動作のためには「にじみ」領域を増やしてゲートギャップを狭める必用があるが、この方法によって「にじみ」を増やした素子では、ドレイン電流に数十秒オーダーの緩やかな減衰が現れ、ゲートに通常とは逆の負バイアスを印加するか無バイアスで数分保持することによりおよそ初期の値に回復して再び減衰するという現象が見いだされた。CuPc 2層の間にAlの半透膜を挟んだモデル試料(2端子)でも類似の減衰が見られることから、ナノスケールのAlドットが電荷トラップとして働いている可能性が考えられる。現在、確認実験を行っており、まとまり次第論文として発表する予定である。 また、上記のような現象による素子設計上の困難を避けるため、数十〜数百nm径のポリスチレン微粒子を基板に付着させて蒸着マスクとして用いることにより、ゲートギャップを含むより複雑なナノ構造を素子に作り込む実験を開始した。現在、微粒子の付着法および各層膜厚について最適化を行う実験が進行中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Joseph, Nakamura, Iizuka Kudo: "Optimization of the CuPc active layer thickness of static induction transistors"Proc. IEEE TENCON 2003. 609-612 (2003)
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[Publications] Joseph, Hirashima, Nakamura, Iizuka, Kudo: "Fabrication of Organic Static Induction Transistors with Higher Order Nanostructures by Spontaneous Formation"MRS Fall Meeting. K10.57 (2003)