2002 Fiscal Year Annual Research Report
フェライト薄膜の水溶液中作製と軽重量電磁ノイズ吸収体への応用
Project/Area Number |
02F00328
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿部 正紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM Tae?Youb 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 軽重量電磁ノイズ吸収体 / 低密度粒子小球フェライト膜 / 分散薄膜 |
Research Abstract |
本研究は超音波フェライトめっき法により、多孔質および中空形状のプラスチックまたはシリカ粒子小球表面をNiZnフェライト膜でコートし、これをバインダー中に分散させることにより、比重が小さい(0.2-0.8)「軽重量電磁ノイズ吸収体」を開発すると共に、最適なめっき条件およびバインダー中への分散条件を特定し、500MHz-6GHzの周波数帯域で電磁ノイズ吸収性を明らかにして、携帯電話やノートパソコン用のGHz電磁ノイズ吸収体への実用化をめざす予定である。同研究は平成14年9月に採用され今現在6ヶ月が経過している。本研究では軽重量電磁ノイズ吸収体を作製するため小球としてEXPANCELという低密度ポリマー粒子小球を選択し、そのEXPANCEL小球を超音波フェライトめっき法でフェライト膜をコートするため水溶液に分散する最適条件を探査した。様々な条件から水溶液中の最適化な分散条件として、3%エタノールと19.5kHzの超音波を用いてEXPANCEL低密度ポリマー粒子小球を水溶液中に分散し長時間安定的に維持させるのに成功した。その後高周波透磁率特性を高めたNiZnフェライトめっき膜を水溶液分散させた上記のEXPANCEL微小球(平均直径40μm)上に超音波フェライトめっき法を用いて堆積させることに成功した。めっきした微粒子をX線回折法を用いて純粋なフェライト構造を確認し堆積物が意図したNiZnフェライト膜である事を確認した。また、走査型顕微鏡を用いてめっき膜の表面を観察し堆積物が均一に塗布されていることを確認した。これらの結果から、EXPANCEL低密度ポリマー粒子小球を利用することで本研究の目的である軽重量したNiZnフェライト膜を作製することが可能になった。今後の研究では軽重量NiZnフェライト膜をバインダー中に分散させるため最適な条件を探査する予定である。
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