Research Abstract |
本年度は,以下のような内容について作業,分析を行った. (1)タイの交通システムの現状把握および交通政策の現状整理 既に収集しているタイの交通に関する各種データやタイ政府等の発行する各種統計データをもとに,タイにおける交通・運輸の特性を整理した.また,タイ国内の交通・運輸に関わる法制度を整理した.また,現在までにバンコク都市圏において実施されている,あるいは計画されている各種交通政策,具体的には幹線道路整備計画,交通安全政策,交通環境改善政策等を調査し,分類整理した.以上の調査結果より,タイの交通において以下の10のポイントが今後の大きな課題として挙げられることを示した. (1)交通システムの安全性向上,(2)交通から発生する環境負荷軽減,(3)インターモーダルを意識した交通効率性の向上,(4)交通システムにおける競争原理の導入,(5)地域および国土レベルの視点からみた広域交通インフラの整備,(6)旅客,貨物双方を意識した先端的な交通技術の導入,(7)交通行政の効率化,(8)交通サービスの料金システムの改善,(9)タイがアジア圏の中心的な存在となるための国際的なネットワーク整備,(10)効果的な土地利用の誘導に資する交通政策. (2)日本の交通整備状況の把握 日本の交通整備状況ならびにその問題点を把握するための調査を実施した.調査を実施したのは,以下のインフラである. ・空港:羽田空港,函館空港,仙台空港 ・幹線鉄道:青函トンネル,東海道新幹線,山形新幹線,東北新幹線(八戸-仙台) ・地方ローカル鉄道:JR仙山線,磐越西線,信越本線等 ・主要港湾:新潟港,神戸港,大阪港 調査にあたつては,現地踏査に加え,国土交通省の担当者等へのインタビューを実施し,日本の各種交通整備状況を把握整理した上で,タイにおけるインフラ整備の考え方や,その位置づけと比較を行った.
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