2002 Fiscal Year Annual Research Report
粉末焼結法によるイットリウム添加TiAl基金属間化合物の開発
Project/Area Number |
02F00341
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Ying 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | TiAl / 耐酸化性 / 保護皮膜 / 耐熱材料 / イットリウム / 高温材料 / Ti合金 / 組織 |
Research Abstract |
ニッケル超合金に代わる新軽量耐熱合金としてTiAlが期待されている。しかし、実用化を阻む障害の一つに耐酸化性がある。本研究では、TiAlにイットリウムを添加することより、この合金の耐酸化性改善を図るとともに、その酸化挙動を明らかにする。γ単相およびγ+α_2二相TiAl合金に各種組成のイットリウムを添加し、その酸化挙動を調べた。γ単相およびγ+α_2二相いずれの場合においてもイットリウム添加によって耐酸化性の改善効果が認められた。γ単相においては、酸化に伴って表面にAl_2O_3とTiO_2の酸化皮膜が認められるが、Al_2O_3が発達し、保護皮膜として作用するため、二相合金に比べれば耐酸化性は良好であった。一方、二相合金の場合、表面にはTiO_2が形成され、しかもその下にはTi_3Alが形成されるため、耐酸化性は劣化する。この傾向は保持温度の上昇に伴って顕著になり、急速に耐酸化性が悪くなる。イットリウムの添加は、単相の場合、酸化保護皮膜の形成状況は変化しないが、形態的により緻密な酸化保護皮膜が形成され、耐酸化性が向上する。一方、二相合金の場合、TiO_2に代わりイットリアが表面に形成され、しかもその皮膜は緻密となるため急速に耐酸化性が向上する。この耐酸化性の改善は、添加イットリウム量に依存し、1wt.%まではその添加量の増加に従って改善するが、それ以上ではその効果は逆に低下した。
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