2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00353
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 勇一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAHNOUN Riadh 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 分子キラリティー / ヘリカルキラリティー / ビナフトール / 分子モーター / キラル試薬 |
Research Abstract |
本研究では、ab initio分子軌道理論を用いて以下の2つの研究目標の達成を行う。 1)化学的、生化学的に興味のあるヘリカルキラリティーをもつ分子の光変換法の構築。 2)モーター回転のような興味ある物性をキラル分子に持たせるレーザー制御法の構築。 第1の課題に関しては、共役多環化合物のヘリカルキラリティーもつbi-naphtholをとりあげた。ab initio分子軌道計算を行い、ヘリカル運動につれてこの分子の2つの水酸基がシス型とトランス型に異性化する反応経路が最小のエネルギーをもつ反応座標であることを明らかにした。現在、論文作成中である。同時に、この異性化を取り込んだキラリティ変換の量子制御シナリオを構築中である。さらに、有機化学のキラル識別試薬として利用されるモノフルオロ酢酸メチルのキラル安定構造のab initio分子軌道理論による決定を行っている。 第2の課題に関しては、フェムト秒領域のレーザーパルスによって駆動する有効な回転をおこなうヘリカル分子モーターの双極子遷移モーメントと電子励起状態の回転ポテンシャルをab initio分子軌道法によって決定した。これらの結果を用いて、平面偏光紫外部・UV光励起レーザーのポンプーダンプ型の照射によるモーターの駆動電子励起状態を経由する回転波束生成機構を提案した。この方法では数百フェムト秒で回転制御が可能である。これにより振動緩和など分子モーターの機能を低下させる環境効果を無視できる。 回転方向の実験的観測方法として時間分解イオン化スペクトルの利用する方法を提案した。以上の結果はアメリカ化学会雑誌J.Phys.Chem.B(4月号)に掲載予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Fujimura: "Quantum control of molecular chirality"Recent Res.Devel.Chem.Phys.. 4. 345-358 (2003)
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[Publications] K.Hoki,...: "Chiral molecular motors driven by a nonherical laser pulse"J.Chem.Phys.. 118・2. 497-504 (2003)
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[Publications] K.Hoki,...: "Chiral molecular motors driven by a nonherical laser pulse"Angew.Chem.Int.Ed.. 42・26. 3084-3086 (2003)
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[Publications] K.Hoki,...: "Chiral molecular motors ignited by femtosecond pump-dump laser pulses"J.Phys.Chem.B. (発表予定). (2004)