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2002 Fiscal Year Annual Research Report

金属内包フラーレン/ナノチューブの構造と電子物性の研究

Research Project

Project/Area Number 02F00355
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

篠原 久典  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) SUN Baoyun  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
Keywords金属内包フラーレン / テルビウム金属内包フラーレン / ユーロピウム金属内包フラーレン / 単層カーボンナノチューブ / 電子状態 / 異性体 / 13C-NMR / HPLC
Research Abstract

特に特記すべき実績は、Tb@C82やTb@C80を中心とする、いくつかのテルビウム金属内包フラーレンとユーロピウムEu@C82の生成と単離に世界に先駆けて成功した。これは、当初の研究目的を十二分に達成している。また、これらの金属内包フラーレンは5%前後のNi触媒を使用することで、生成効率を格段に向上させることに成功した。さらに、これらの単離されたテルビウム金属内包フラーレンの分光学的測定と物性測定を行い興味深い物性特性を明らかにした。特に、Tb@C80はC80に内包された特異な単核の金属フラーレンである。さらにTb@C80は超伝導体になる可能性を秘めている、金属内包フラーレンとして非常に興味深い。これは、Ihの対称性を保つC80フラーレンの電子状態は、最低空軌道が4重に縮退したhalf-filled状態になっていると考えられるからである。Tb@C80の低温での、電気伝導および磁化率の測定が待たれる。超伝導性が観測されれば、金属内包フラーレンとしては初めてのものである。さらに、本研究では、Tb@C82金属内包フラーレンの内包した単層カーボンナノチューブ(SWNT),(Tb@C82)n@SWNT,の合成にも世界に先駆けて成功した。また、C84高次フラーレンの各種異性体の生成と単離に世界に先駆けて成功した。C84の2つのメインの構造異性体を、多段階の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を駆使して分離・単離することに成功した。さらに、5種類にもおよぶ、マイナーな構造異性体の生成、分離・単離に成功し、また、これらの異性体の構造を13C-NMRによりて決定した。これらの結果は、フラーレンの成長機構にも大きな影響を与えるものである。
本研究によって、金属炭素ナノ集合体がもつ新規な構造特性および特異な物性が解明され、今まで未知の分野であったクラスター科学と物質科学のフロンテイアが切り開かれたと思う。

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Published: 2004-03-26   Modified: 2016-04-21  

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