2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00361
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大須賀 篤弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANAND Venkataramanarao Govindan 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ポルフィリン / 環拡張ポルフィリン / 芳香族性 / 金属錯体 / サイズ選択的合成 / ヘキサフィリン / オクタフィリン |
Research Abstract |
新しい環拡張ポルフィリンの合成を目的として、直鎖状のオリゴピランの合成を行い、トリピラン、テトラピラン、ペンタピランを合成した。次に、これらのオリゴピランを用いて、トリピランからはルビリンとノナフィリンの合成に成功した。またテトラピランからは、コロールが得られることがわかった。一般に、メゾ-アリール置換環拡張ポルフィリンは8個以上のピロールでは、分子の歪みを解消するために、8の字状のコンフォメーションをとり、平面構造ではなくなるために、芳香族を示さないことが多い。メゾアリール置換構造を維持したまま、大きな芳香族性を示す環拡張ポルフィリンの合成を目指して、1,4-フェニレン架橋を挟んだオクタフィリンやデカフィリンの合成に成功した。各種のスペクトル測定から、構造決定したが、結晶構造解析には至っていない。ジピロメタンジオールとトリピランからはN-縮合ペンタフィリンが得られることもわかった。この中間体として、ペンタフィリノーゲンは不安定な化学種であるが、ウラニウムカチオンを挿入することにより、安定なウラニウムペンタフィリノーゲンが得られることもわかった。これを酸化するとN-縮合ペンタフィリンが得られる。
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