2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00362
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAJI Tapas Kumar 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 金属錯体 / 多孔性 / 誘電物性 / アミド結合 / ゲスト分子 / 構造変換 / ナノ空間 / ストレス空間 |
Research Abstract |
均一なミクロ細孔を有する多孔質固体は小分子の選択的吸脱着、立体選択的な不均一触媒、イオン交換反応、等の多様な機能を発現することが知られている。その反応活性はその細孔の形状に大きく依存するものの、ゼオライトを初めとする無機固体は構造の柔軟性に欠くため、新しいミクロ空間の構築が困難であった。金属イオンと種々の有機架橋配位子を用いると、新しいミクロ細孔物質が実現できるものと期待されている。本研究では、従来の単純な形のミクロ孔では無く、よりゲスト分子にフィットした多孔質空間を実現することを目的としてピラー配位子を逐次替えてピラードレイヤー構造をベースとした骨格の配位高分子を合成した。特定分子の選択的吸着を行い、新しい機能性空間の化学をすすめた。 2つの新規ピラードレイヤー型動的多孔性配位高分子、{[Cd(pzdc)(L)].xH_2O}_n(pzdc=pyrazine-2,3-dicarboxylate, for 1L=4,4'-azopyridine;x=2;for 2L=1,2-bis(4-pyridyl)ethylene);x=1.5)、を合成した。1および2はゲストの水分子の除去によって、それぞれ骨格が膨張・収縮するという構造変換を起こす。その結果、細孔の開口部は制御され、有機分子の吸着に対して、1と2は異なる選択性を示す。単に有機ピラー配位子の官能基が異なることで、このような正反対の動的現象を示すことは、多孔性材料において全く先例のないものであり、Angew.誌の表紙に採用された。
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Research Products
(1 results)