2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00366
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺部 茂 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI JIA 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ミクロ液体クロマトグラフィー / シリカモノリスカラム / ステロイド / 葉酸 / 枯草菌細胞抽出液 / メタボローム |
Research Abstract |
本研究はメタボロームの網羅的分析のために,ミクロ液体クロマトグラフィー(μ-LC)とマルチキャピラリー電気泳動(MCE)とを組み合わせた二次元分析法の開発を目的として,そのための基礎研究から取りかかっている。平成14年12月から研究を始めたばかりなので,μ-LC装置を組み立てその特性を調べている段階である。μ-LC装置は,ミクロ送液ポンプ及びミクロインジェクターを購入し,現有のキャピラリー電気泳動用紫外吸光検出器を用いて組み立てた。カラムには内径200μm,長さ25cmのオクタデシルシリル修飾(ODS)シリカモノリスカラムを用いた。標準試料としてアルキルベンゼン類を用いて,試料注入量100nL,移動相流量2μL/minで理論段数12,000程度が得られた。この条件でグラジェント溶離も可能である。今回組み立てたμ-LC装置の性能を評価するために,代謝物の代表としてステロイド9種混合物及び葉酸代謝物3種の分離を検討した。ステロイドとしてはエストロン,エストラジオール,エストリオール,テストステロン,アンドロステンジオン,プロゲステロン,ヒドロキシプロゲステロン,コルチゾン,ヒドロコルチゾンを用いた。メタノール-水混合溶媒を移動相として2μL/minの流速で,グラジエント溶離によりこれらステロイドの分離ができた。葉酸,テトラヒドロ葉酸,5-メチルテトラヒドロ葉酸3種混合物の分離はメタノール-30mMリン酸塩緩衝液(pH3.0)混合溶媒を移動相に用い,グラジエント溶離を行うことにより分離できた。これらの性能評価から,本μ-LC装置は,通常の高速液体クロマトグラフィーと同等以上の性能を持つことが示されたので,枯草菌細胞抽出液の分離条件を検討する。次にカラムからの溶出液を分取し,その分画をさらにキャピラリー電気泳動により分離する条件の検討へと研究を進める予定である。
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