2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00368
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 義公 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANG Nak yong 北海道大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | UF膜 / MF膜 / NF膜 / RO膜 / 透過流速 / 凝集処理 / 活性炭吸着 / オゾン酸化 |
Research Abstract |
本研究の課題である『膜ろ過システムの構成マトリックスに関する研究』について行った研究結果を以下にまとめる。 ・本研究において比較的に清澄な原水として錦多峰表流水を用い、膜公称孔径が0.1μmのセラミックス膜で直接ろ過実験を行った場合、比較的安定した膜ろ過運転を行うためのろ過運転条件は透過流束1.5m/日と物理洗浄間隔240分程度であることがわかった。 ・膜ろ過運転性と膜透過水の処理性を向上させるため前凝集処理を行った結果では、0.3mg-Al/LのPACと180分に一回の物理洗浄条件で、2.0m/日での膜ろ過運転が可能となり有機物の除去率も向上した。本研究での原水においては、PACが最も有効な凝集剤であった。 ・前凝集を行う場合、より安定した膜ろ過運転の実施と処理水のアルミニウム濃度の最小化を図るためには、凝集pHの制御が必要であり本研究で得られた最適なpHは約6.5付近であった。 ・前凝集処理による膜運転性と膜透過水質の向上効果は、膜細孔径以下の成分(膜細孔内における吸着を引き起こす)と膜細孔径付近のサイズをもつ粒子の成長化が主な理由であると考えられる。 既存の実験結果と以上の清澄な原水を対象とした研究結果より、膜ろ過システムの構成マトリックスに関して以下のようにまとめる。 (1)不純物の寸法が膜細孔径以上、かつ比較的低濃度の場合、膜単独での造水も可能であるがより効果的な膜運転や水質向上のため、少量の凝集剤を添加した前凝集処理の併用が望ましい。 (2)不純物の寸法が主に膜細孔径以上、かつ比較的高濃度の場合、膜単独での造水は難しく、膜への負荷を軽減させるため前凝集沈殿処理を行う。 (3)不純物の寸法が主に膜細孔径以下の場合、UF膜、MF膜単独での造水は難しく、不純物の排除率の高いNF膜、RO膜による造水あるいは凝集沈殿・活性炭吸着・オゾン酸化等を併用したUF膜、MF膜システムが有効であると判断される。
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