2002 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼プロセスにおける水銀の挙動解明と炉内制御技術に関する研究
Project/Area Number |
02F00373
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO Hong 豊橋技術科学大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 燃焼 / 石炭 / 廃棄物 / 水銀 / 微量金属 / 微粒子 / 捕捉剤 |
Research Abstract |
近年、燃焼や焼却プロセスから石炭や廃棄物等の固体燃料に含有している微量水銀の一部が排ガスとして大気中へ放出されている現状が明らかになり、米国等では水銀に関する新たな大気環境規制が施行されつつある。そこで本研究では、燃焼プロセスにおける水銀の放出機構解明とともに、できる限り高温条件における水銀捕捉技術の開発を試みている。具体的には、熱天秤による各種水銀化合物の放出特性および鉱物質による各種水銀化合物の基礎捕捉実験を行っている。得られた基礎結果は、化学平衡論に基づく解析結果と比較しその妥当性を考察している。このような基礎研究で得られた最適水銀捕捉剤を実際の石炭あるいは乾燥下水汚泥燃焼場に微量添加し、燃焼場における水銀の放出機構と捕捉特性解明を行う予定である。 初年度である平成14年度は、熱天秤によって、各種水銀化合物(HgO, HgCl_2,HgSO_4等)の基礎放出特性の解明を行った。それと同時に、カオリン等の鉱物質あるいは石灰石等のカルシウム化合物を各種水銀化合物に物理混合し、これらの捕捉剤による基礎的な捕捉特性も実験的に解明しつつある。なお、得られた結果を理論的に検証するため化学平衡計算を行い、各種水銀化合物の放出特性に及ぼす温度依存性ならびに最適捕捉剤の化合物形態等の妥当性を評価している。同時に、次年度実施する水銀蒸気とHClガスとの反応挙動解明とその速度計測のために必要となる横型電気加熱式反応炉の設計、製作も行っている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Yao, N.Saito, I.S.N.Mkilaha, I.Naruse: "Comparative Study of Lead and Cadmium Compounds Capture by Sorbents"Journal of Chemical Engineering, Japan. 35・5. 401-408 (2002)
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[Publications] H.Yao, H.Minato, I.S.N.Mkilaha, I.Naruse: "Fundamentals on vaporization behavior of trace metal compounds at different atmospheres and temperatures"日本エネルギー学会誌. 81・4. 256-262 (2002)
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[Publications] I.S.N.Mkilaha, H.Yao, I.Naruse: "Themodynamic analysis of the role of chlorine and sulfur environments during combustion and incineration processes"Journal of Mater Cycles Waste Management. 4. 143-149 (2002)
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[Publications] I.S.N.Mkilaha, H.Yao, I.Naruse: "Trace-metal speciation during sludge combustion and incineration"Combustion Science and Technology. 174・11,12. 1-20 (2002)
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[Publications] I.Naruse, H.Minato, N.Saito, H.Yao: "Fundamentals on emission and control of trace metal compounds in combustion processes"Journal of Combustion Technology and Air Environment. (In press). (2002)