2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00378
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹内 俊文 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Woo?Sang 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Bisphenol A / Imprinted Polymer / Immobilized-template / molecular recognilion / endocrine disruptor |
Research Abstract |
最近モレキュラーインプリンティング法による分子認識高分子に関する研究は多く行われている。従来の高分子合成法に比べ、簡単に高分子に分子認識能を付与できるからである。今まで研究が行われたモレキュラーインプリンティング法の多くは、認識対象分子を機能性モノマー、架橋剤と一緒に重合させ、得られたポリマーからテンプレート分子を取り除いた後、高分子を磨り潰すため、形やサイズを揃えたポリマーを得るのが難しい。そのため、ポリマーの応用性が悪くなる弱点が指摘されている。この弱点を改善するために、本研究では新しいモレキュラーインプリンティング法の一つであるシリカ固定化テンプレートを用い、内分泌撹乱物質の一つとして報告されているビスフェノールAを認識するインプリントポリマーを合成し、その認識特性を調べた。 ポリマーの合成には、アミノプロピルシリカにジフェノール酸をアミド結合させたものを固定化テンプレートとし、ビスフェノールAと水素結合が可能なメタクリル酸あるいは4-ビニルピリジンを機能性モノマーとして用い、架橋剤にはエチレングリコールジメタクリレートあるいはやスチレン/ジビニルベンゼンを用いた。得られたシリカ-ポリマーの複合体はシリカを溶かして鋳型分子をポリマー内から除くため酸性フッ化アンモニウムで処理し、最終的に球形のサイズが揃ったインプリントポリマーを得た。 得られたインプリントポリマーをHPLCカラムに詰め、ビスフェノールAとその構造類似化合物に対する認識能や選択性を比べた結果、ポリマーはビスフェノールAに強く相互作用することがわかった。機能性モノマー4-ビニルピリジンを用いたポリマーがメタクリル酸を用いたポリマーに比べ強い相互作用を示した。また、架橋剤にエチレングリコールジメタクリレートを用いたポリマーがビスフェノールAに高い認識特性を示した。
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