2002 Fiscal Year Annual Research Report
固相脂質合成法による免疫制御能を有する人工スフィンゴ糖脂質の合成
Project/Area Number |
02F00396
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浜地 格 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SRINIVASULU R. Krishna Mohan 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 固相合成 / スフィンゴ糖脂質 / 免疫抑制 / カチオン性脂質 / 抗菌活性 |
Research Abstract |
本研究は我々の開発した新規な「人工糖脂質の固相合成法」(SPLS)を基にして、人工-スフィンゴ糖脂質ライブラリーを構築し、その中から免疫機能制御活性を示す新物質を探索することを試みる。近年のグリコ生物学の発展によって、糖関連物質が新しい生理活性分子として注目され始めた。特に免疫賦活活性などの細胞や組織レベルでの制御はユニークで、現時点では構造-機能相関が明らかになっていないため合理的な分子デザインは不可能である。そこで本研究では、関連する人工スフィンゴ糖脂質を系統的に合成できる固相合成手法をSPLSとして確立し、構造の関連した化合物ライブラリーを迅速に合成することを目指す。これらのライブラリー化合物の免疫制御活性をスクリーニングすることによって、これまで知られていない構造機能相関を明らかにするとともに、新しい生理活性新物質の発見を目的とするものである。化合物ライブラリーを固相合成し、新しい物質を開発する化学は、欧米では盛んに研究がなされているが、日本の化学界では出遅れた感がある。我々のSPLS手法を超分子物質の探索から生理活性物質の発見まで拡大できれば、幅広い分野への波及効果が期待される。 本年度はまず、新規な脂質固相合成法を開発することから研究を開始した。具体的には、天然糖脂質を簡略にモデル化した人工糖脂質のモジュール組み合わせによる合成を固相上で高収率に行うことの出来る反応スキームを検討した。その際には糖脂質だけでなく、アンモニウムなどのカチオン性脂質の固相合成法の開発も行い抗菌活性を有する化合物ラィブラリー群の合成を視野に入れ、より一般性の高い固相合成法を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.KIYONAKA, S.TSUKIJI, I.HAMACHI: "Combinatorial Library of Low Molecular Weight Organo-and Hydrogelators Based on Glycosylated Amino Acid Derivatives by Solid Phase Synthesis"Chemistry, A European Journal. 9. 976-983 (2003)
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[Publications] 清中 茂樹, 周善来, 浜地 格: "多様な化合物群の中からナノバイオ材料を創る"未来材料. 3. 36 (2003)