2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規トランスポーターを中心とする広塩性魚類の浸透圧調節機構の解明
Project/Area Number |
02F00505
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂久 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MISTRY Abinash Chandra 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ウナギ / 海水適応 / 浸透圧調節 / 重炭酸輸送対 / トランスポーター / SLC4A / anion exchanger |
Research Abstract |
淡水と海水という浸透圧が大きく異なる環境を往き来できる広塩性魚類の浸透圧適応機構の解明を目指して,淡水ウナギと海水ウナギの間で差クローニングを行っていたときに,海水ウナギの後腸でのみ強く発現しており,淡水に移すと消失する興味深いクローンを見つけた。予測されるアミノ酸配列から,そのクローンは,陰イオン輸送体(anion exchanger)をコードしていることが明らかになり、海水適応に重要な分子として存在が示唆されながら,実体が不明のまま残されている分子である可能性が高まった。そこで本研究では,このクローンの全長配列を決定すると共に,海水移行に伴う発現様式の変化を時間を追って調べるためのノーザン解析の準備と局在部位を免疫組織化学的に決定するために必要な抗体作りの準備を行なった。配列の解析からは陰イオン輸送体のSLC4Aのファミリーに属することが明らかになった。ナトリウム非依存性の陰イオン輸送体にはSLC4とSLC26のファミリーがありいずれもSulfate transport signature(STS)配列を有するが,本研究で単離したcDNAクローンにも特徴的なSTS配列が存在した。その他の実験に関しては,秋口からの採用であったために,現在は,海水適応ウナギからのRNAの調製を終え,かつ陰イオン輸送体の細胞内ドメインに相当する3種類の抗原を遺伝子工学的に大腸菌でHisタグ融合タンパク質として発現させ,それらをニッケルキレートカラムで精製し,ウサギに免疫を開姶したところである。SLC4A単離の過程で,もう一つ興味深い輸送体を見つけ,これも海水適応に重要で,海水ウナギの腎臓にのみ強く発現していることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hirose, S., Mistry, A.C.et al.: "Natriuretic peptide receptors in the eel"Comp.Biochem.Physiol.. 134A. S45-S46 (2002)