2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規トランスポーターを中心とする広塩性魚類の浸透圧調節機構の解明
Project/Area Number |
02F00505
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂久 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MISTRY Abinash Chandra 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科・生体システム専攻・広瀬研究室, 外国人特別研究員
|
Keywords | ウナギ / 海水適応 / 浸透圧調節 / 重炭酸輸送対 / トランスポーター / anion exchanger / FHL / pillar cell |
Research Abstract |
浸透圧が大きく異なる淡水と海水の両方に適応できる広塩性魚類の浸透圧調節機構を分子レベルで明らかにするために,淡水ウナギと海水ウナギを用いた解析を続け以下の成果を得た。(1)陰イオン交換体(Cl^-/HCO_3-exchanger, AE)に関する研究:本研究の主要テーマであるAEは海水適応に不可欠で,海水魚の腸管内にwhite cakeといわれるCaCO_3の白い沈澱を作り,水分の吸収を助けていると予想されながら実体が不明な分子である。これまでは,ウナギで候補分子を同定し,解析を進めていたが,ウナギでは全ゲノム配列が読まれていないので,有力候補ということは示せても証明は難しいので,ゲノムが読まれているフグに切り替えて同様の実験を進めることにした。現在ウナギのホモログを含め可能性のある全クローンをデーターベース上から拾い出し,全長cDNAを取得しつつある。(2)eFHL5に関する研究の仕上げ:魚類のエラは広い表面積を有するが,このことはガス交換の観点からは有利であるが,体液浸透圧の維持の観点からはイオンや水分の流失を招きやすく不利である。そこでエラを流れる血液量と流路は時々刻々と変化する生体の状況に応じて微調整されている。この微調整にpillar cell(柱状細胞)が一役買っていることを明らかにした。すなわち,淡水ウナギと海水ウナギで発現量に差のあるクローンの一つとして,pillar cellのアクチン繊維と相互作用する新規のタンパク質eFHL5(eel four-and-a-half LIM protein-5)を見つけ,その性質と発現部位の解析から,pillar cellの分子構築と収縮機構を明らかにした。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Mistry, A.C. et al.: "FHL5, a novel member of the FHL family, localizes to actin stress fibers of the pillar cells and shows volume-dependent enhanced expression, suggesting a role in cytoarchtecture regulation."Mol.Biol.Cell. 14. 240a (2003)