2002 Fiscal Year Annual Research Report
一細胞RT-PCRと無細胞タンパク質合成系による抗体分子スクリーニングシステムの構築
Project/Area Number |
02F00507
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 恒夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 秀萍 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 一細胞RT-PCR / 無細胞蛋白質合成 / Fab / 抗体 / B細胞 |
Research Abstract |
本研究は一個の細胞由来のmRNAからRT-PCRにより抗体をコードするDNA断片だけを増幅し、無細胞タンパク質合成系により発現させるシステムの構築を目指している。すなわちチューブ内だけの連続した反応で抗体遺伝子(cDNA)を増幅し、結合活性を持つ抗体分子(ここではFab断片)を無細胞系で発現させ、ハイスループットにスクリーニングする新規なシステムの開発を目的としている。 そこでまず、ハイブリドーマを用いて、一細胞由来mRNAからの増幅検討を確立した。抗体遺伝子は免疫細胞の成熟過程で遺伝子の再構成が起っており、複数のプライマーセットを用いる必要がある。なお用いるプライマーの配列はKabatの抗体データベースを参考に設計した。抗体L鎖(V_L、C_L)を増幅させるために、5末端のprimer VKおよび3末端のprimer CK-J2を設計した。H鎖(V_H、C_H1)を増幅させるために、5末端のprimer VH、VHおよび3末端のprimer CH-IgG1-2、CH-IgG2A-2、CH-IgG2B-2、CH-IgG3-2を設計した。また極微量の鋳型からのPCRの場合、プライマーダイマーや、ターゲット以外の配列にミスアニールすることによる、目的産物以外の増幅が顕著である。この際副産物の増幅を押さえるのに有効なsingle primer (primer SP1)による増幅反応を試みた。 次に、マウスの脾臓から、抗CD19抗体結合マグネットビーズにより抗体を産生しているB細胞を回収・精製した。確立した増幅条件およびプライマーを利用し、一つのB細胞由来のmRNAを鋳型とした1細胞RT-PCRによって抗体L鎖(V_L、C_L)およびH鎖(V_H、C_H1)を増幅させた。
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