2002 Fiscal Year Annual Research Report
ケナガカブリダニにおけるメチダチオン抵抗性の分子機構
Project/Area Number |
02F00511
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮田 正 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SATO Mario Eidi 名古屋大学, 生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ケナガカブリダニ / 殺虫剤抵抗性 / 有機リン殺虫剤 / メチダチオン / 淘汰 / チトクロームP450 / 逆淘汰 / カンザワハダニ |
Research Abstract |
ケナガカブリダニはカンザワハダニの有力天敵である。日本各地の茶園等では殺虫剤に抵抗性を示すケナガカブリダニの存在が知られている。報告者らの今までの研究成果から、有機リン殺虫剤のメチダチオンに抵抗性を示すケナガカブリダニでは、殺虫剤抵抗牲機構として、チトクロームP450によるメチダチオンの解毒分解活性が最も重要であることが明らかとなっている。今回は、本抵抗性の分子機構を解明するため、静岡県の茶園より採集したケナガカブリダニをインゲン葉上で大量増殖し、メチダチオンを用い淘汰実験中である。また、感受性系統ケナガカブリダニとしては、沖縄県石垣島で採集した系統を同様にインゲン葉上で大量増殖し、メチダチオンによる逆淘汰を行い、より感受性の系銃を育成中である。それぞれの系統に対し、2回の淘汰を行い、淘汰系および逆淘汰系のメチダチオンに対する感受性を調べたところ、抵抗性比約40を示す系統が育成出来た。今後、更に淘汰を続け、抵抗性比数100を示す系統の育成を目指す。今回供試した感受性系統は、前回使用した系統に比べ、メチダチオンに対する感受性が低く、野菜茶業研究所において累代飼育しているうちに、野外の抵抗性個体が侵入していることが考えられた。特に高度の抵抗性レベルを得るには、感受性系統を使っての逆淘汰がより重要と考えられた。同様に、ケナガカブリダニのチトクロームP450遺伝子のクローニングを行うための予備実験を行っており、高度のメチダチオン抵抗性ケナガカブリダニを育成出来た段階ですぐに実験に移れるよう準備中である。
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